まだ息をしている

死んでねえだけだよ 酒をのんだら書くブログ

やすみのはなし

 休暇をどう過ごしたらいいかわからない。

 みんなどこで教わったんだよ。実家にいたときは「ジャスコ行くよ」の声かけでなんとなく外出していたし、墓参りだ、親戚の集まりだなんだかんだと用があったような気がする。現在一人暮らし、狭くても快適な我が城には生命体はわたししかいない。ジャスコもない。

 休日はたいてい、昼近くまで寝ていて、そこから洗濯と掃除をやっつける。といっても特段衣装持ちでもなし、ワンルームの掃除なぞ気合をいれても二時間が関の山。あっという間に元の退屈に戻ってくる。今日はゲームも読書もする気が起きず、床に寝そべって風に揺れるカーテンを見ていた。裸で。

 休日は、というか余暇はほとんど裸だ。別に裸族というわけではないのだが、どこに行くでもないのに服を着る意味がわからない。なにより嫌なのが靴下だ。帰宅していの一番に投げ捨てる。これの面白いところは、よそのおうちや飲食店では逆に絶対に裸足になりたくない。汚いと思っているわけではなくて、なんだか落ち着かないのだ。銭湯も靴下を脱いで歩き出す瞬間と、風呂場でタイルを踏みしめる一瞬、心が「ウッ……」と微かなうめき声をあげる。もう五歩も歩けば慣れてくるにも関わらず、今日も「ウッ……」と嗚咽を飲み込んだ。そんな女が家に帰ると秒で裸足になるのはわけがわからないと思う。私もわからない。

 いまもカーテンを見つめていた。しらないうちにでかめのカメムシが我が物顔であるいていたので、私の安息のため、彼には迅速かつ穏便に御退室願わなければならないのでここまで。